忍者ブログ
[PR]
CATEGORY : []
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2024年05月03日  15時09分
現実逃避そのいち。
CATEGORY : [詩/ネタ]
らびが久しぶりにニッキ書きましたね。(笑
ほんと、今年初だよ…苦笑。
更新がんがれー!!(と他人事w


さて、地味に引き出しの整理してたらネタが出てきたので、アップアップ!!







最後の桜の花びらが散れば、また終わる。

その木の下で一組の男女が杖を向け合っていた。
一陣の風が二人の髪を撫ぜ上げた。それを合図に、二人は呪文を唱える。
杖先から閃光が飛び出し、ぶつかり合った瞬間、轟音。
しばらくの後、打って変わって静寂が訪れた。

二人とも地面に倒れていて、男の方が先に起き上がった。
体中がきりつけられたような格好に、肌からはうっすらと血がにじむ。

「バカだよ、君は。」

男は横たわったままの女に向かってポツリとつぶやいた。
赤い双眸から知らず知らずのうちに涙が流れる。
男は膝を折り、地面につけると両手で顔を覆った。

「殺すつもりは、なかった…本当は殺したくなかったんだ…!」

唯一の女<ヒト>だった…!

だが、もう遅い。と男は自分に言い聞かせるように大きめの声で言った。女がもう二度と男の名をつむぐことはないのだ。
男は立ち上がり、小さな声でさよなら、とつぶやくと呪文を唱え女の身体を炎で包んだ。炎は勢いよく燃え上がり、女のすべてを燃えつくした。
すべてが無に還る頃、桜の木の下に誰もいなかった。

ただ、最後の一枚だった花びらが舞い落ちた。

拍手[0回]

PR
2008年02月10日  23時40分
コメント[ 0 ]  トラックバック [ ]
<<現実逃避そのに。 | HOME |明けましたね>>
COMMENT
COMMENT WRITE















TRACKBACK
トラックバックURL

<<現実逃避そのに。| HOME |明けましたね>>
忍者ブログ[PR]